今年1年の締めくくりとも言うべき仙台のみちのくYOSAKOI祭りは、東北地方を中心に活動しているチームの最終ターゲットである。

2週間後にショーケースの本番を控え、今この時期に練習を休むのはいささか心苦しい限りではあるが、自分が振り付けしているチームの集大成とも言うべきこの祭りのステージを、振付師の責任として見届ける決心をした。

朝の飛行機で仙台に入り、空港から電車で仙台に行き、そこから地下鉄で演舞会場へ入る。

12:30頃到着して、色んなチームの方からすれ違いざまに挨拶されながら自分の振り付けチームを探した。

そして見つけた赤と白の集団「郷人」
チームのメンバーにはまったく話してなかったので、ちょっと驚いた様子・・・
しかも、これから踊る演舞は一次審査予選だそうで、みんな緊張感がみなぎっている。

それはやはりコンテストの上位常連チームだからこそ受けるプレッシャーか・・
予選を通過して当たり前・・と思われながら踊るのは実に緊張する物だ。

案の定、自分が見る限り、ちょっと心も体もまだ解放されていない感じで
特に後半の盛り上がり部分がちょっと空回りしてるような感じがして不安を覚えた。

郷人2013.10.1







郷人2013.10.2







その不安は的中した。
大人数のパワーと勢いで押してくる名古屋の学生チームがファイナルに残り
郷人はブロック2位でセミファイナルとなった。
ファイナルに進出するためには、各ブロックで2位になった8チームでセミファイナルを行い、その中で上位2チームに入らなければファイナルステージで踊る事は出来ない。

ただ、この時メンバー全員の目の色が変わった。
予選を落とされた事で、逆に闘争心に火がついて全員がこのままでは帰れない・・・
そんな勢いのような物を出し始めた。

そして迎えたセミファイナルの演舞

圧巻だった。あの札幌のYOSAKOIソーランでファイナルステージに立った時の演舞
まさに会津の魂が一つになったラストの1分は鳥肌が立った。

まわりにいた数人が涙を流していた。

自分は、今村組の踊り以外で観客が泣いている姿を見た事がなかった
踊るスタイル、衣裳、楽曲、今村組とはまったく違った方向性ではあるが、見ている人間に底知れない何かを伝える事ができる踊り・・・これに関してはある意味共通する部分があると感じた演舞だった。

郷人2013.10.3







結果、見事に郷人はセミファイナル1位でファイナルに上がった。
大賞は取れなかったものの、審査員に対して媚びを売らない、自分達のスタイルを貫き通したそのスピリットは天晴れである。

その点は今村組も然り、どうすれば賞をもらえるかなど百も承知
しかし、自分達のスタイルを崩してまで受賞したとしてもそこに何の価値があるだろう

会津の悲しき歴史を背負い、会津を愛し、会津のために踊り続ける郷人の子ども達
誰が何と言おうと、君達の踊りが大賞である・・と思っている人間はたくさんいます。

胸を張って、これからもたくさんの人達の前に立って下さい。

そしてまた来年、みんなの所に行って振り付けをする事を楽しみにしています。

郷人2013.10.4










こちらは仙台の地元チーム「鳳翔乱舞」
年々踊りの腕を上げてきて「キレるチーム」として注目を集めている
最初は自分の作る高速で細かい振り付けにドタバタしていたが、最近はキッチリ踊りこなすようになってきた。

何よりも踊っている時の表情は、実に素晴らしい。

見よ!この見事なカメラ目線(笑)
まったく何を考えて踊っているんだか・・これだけカメラを意識する余裕があるらしい

鳳翔乱舞2013.10.13.1








鳳翔乱舞2013.10.13.2










こちらは、富山県から参加の「韋駄天HANABI」
今年の踊りはとっても明るくて、楽しい踊りだ。
我ながら・・いつもの自分とはちょっと違ったテイストで見ていても不思議な感じ(笑)
でも本来、祭りの踊りってこんな感じだよな・・って思う事もある。

韋駄天HANABI.2013.10.13









こちらは高知の振付師、小倉先生
よさこいの世界では、超有名な先生だ。普段はダンススタジオでジャズやコンテンポラリーを教えている、言ってみれば自分と同業。
何となく、年も同じだし親近感を感じます(^-^)/

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で・・こちらは郷人の作品の中で、振り付けや曲とはまったく無関係に登場する「やっこ隊」
福島に古くから伝わる伝統的なメイクとスタイルで、意外とこちらのファンも多い(*_*;)
ただ、最近はファイナルに進出しないと出て来ないらしい(笑)

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